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創業者が知っておくべき新規開業資金



新規開業資金とは何か?メリット・デメリットを確認しよう

新規開業資金とは、創業に積極的な政府系銀行の日本政策金融公庫が行っている融資メニューのうちの一つです。創業融資として有名な制度ですね。まずは、概要を見ていきましょう。

ご利用いただける方
(注1)
「雇用の創出を伴う事業を始める方」、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方」又は「民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方」等の一定の要件に該当する方(注2)。
なお、本資金の貸付金残高が1,000万円以内(今回のご融資分も含みます。)の方については、本要件を満たすものとします。
資金の使いみち 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする資金
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)

ご返済期間 設備資金20年以内(うち据置期間2年以内)
運転資金7年以内(うち据置期間2年以内)
利率(年) • [基準利率]
• 産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業を受けて新たに事業を始める方(注3)の運転資金及び設備資金(土地取得資金を除きます。)[特利A]
• 地域創業促進支援事業又は潜在的創業者掘り起こし事業の認定創業スクールによる支援を受けて新たに事業を始める方(注3)の運転資金及び設備資金(土地取得資金を除きます。)[特利A]
• Uターン等により地方で新たに事業を始める方(注3)の運転資金及び設備資金(土地取得資金を除きます。)[特利A]
• 独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資(転換社債、新株引受権付社債、新株予約権および新株予約権付社債等を含む。)を受けた方(注3)の設備資金・運転資金[特利A]
技術・ノウハウ等に新規性がみられる方(注3)の運転資金及び設備資金(土地取得資金を除きます。)[特利B]
保証人・担保 お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。

(注1)詳しくは、日本政策金融公庫ホームページをご覧ください。
(注2)“事業を始める方”には事業を始めた方で事業開始後おおむね7年以内の方も含みます。
(注3)一定の要件を満たす必要があります。詳しくは、支店の窓口までお問い合わせください。
※お使いみち、ご返済期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されます。
※技術・ノウハウ等に新規性がみられる方等のうち、一定の要件を満たす方は挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)もご利用いただけます。

※日本政策金融公庫ホームページより一部抜粋・引用

 
簡単に言うと、「“ご利用いただける方”の条件を満たしていれば、自己資金の要件なく比較的長い返済期間で最大7,200万円までの借入が可能」な融資制度ということになります。保証人や担保の有無で融資の受けやすさや利率が変動するので気を付けましょう。
 
次に、この制度のメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット デメリット
自己資金要件がない 大きな額を借り入れるためには保証人が必要
金利が低め 保証人・担保の有無で金利が変動
社長が保証人になることで融資が受けやすい
新創業融資制度利用を検討できる

創業融資制度として非常に魅力的な新規開業資金ですが、自己資金については注意が必要です。メリットとして「自己資金要件がない」ことを挙げましたが、実際は「自己資金の2~3倍の融資を受けることが出来る」のが現状です。これは他の公庫融資制度にも共通して言えることで、要件の有無は「申請の可否」にしか関係がないと言えそうです。

お得に利用出来るようになる?新創業融資制度との合わせ技!

日本政策金融公庫といえば「新創業融資制度」が有名ですが、この制度は単独では融資として利用できません。新規開業資金をはじめとする公庫指定の融資制度を利用する場合に初めて検討できるようになるのです。つまり、「公庫指定の融資制度を利用するときに、その適用要件を新創業融資制度の要件に変更することが可能になる」という特例なのです。

新創業融資制度について、新規開業資金で考えてみましょう。それぞれの要件を比較すると、以下のようになります。

新規開業資金 新創業融資制度
新たに事業を始める方または事業開始後
おおむね7年以内の方
融資対象者 新たに事業を始める方または事業開始後で
税務申告を2期終えていない方
なし 自己資金要件 創業資金総額の10分の1

新たに事業を始めるため、
または事業開始後に必要とする資金
資金の使いみち 事業開始時または事業開始後に
必要となる事業資金
7,200万円(うち運転資金4,800万円) 融資限度額 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
必要 担保・保証人 不要

例えば新規開業資金で融資を受けたいと思っていても、担保や保証人が付けられない…。そんな時に新創業融資制度を利用することで、新規開業資金の融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)のうち、3,000万円(うち運転資金1,500万円)分までは無担保・無保証で融資の申し込みが出来る、ということなのです。ただしこの制度を利用する場合には新創業融資制度の適用要件を満たしている必要があるため、自己資金を最低でも融資希望額の10分の1は準備しなければいけません。無担保・無保証の分、条件が厳しくなるのは仕方ありませんね。

創業者の状況によって、新創業融資制度を利用したほうがいいのか、新規開業資金の要件そのままで申請したほうがいいのか違います。自分の起こす事業内容や自己資金、担保・保証人の有無などしっかり考えたうえで融資の申し込みをしましょう。なお、融資の申し込みは公庫の窓口で「新規開業資金の融資制度を、新創業融資を使って利用したい」と伝えれば通じます。
 
創業者の状況によって、新創業融資制度を利用したほうがいいのか、新規開業資金の要件そのままで申請したほうがいいのか違います。自分の起こす事業内容や自己資金、担保・保証人の有無などしっかり考えたうえで融資の申し込みをしましょう。なお、融資の申し込みは公庫の窓口で「新規開業資金の融資制度を、新創業融資を使って利用したい」と伝えれば通じます。
 

新規開業資金だけじゃない!創業者が使える公庫の創業融資

融資制度の名前から「新規開業資金」しか公庫の創業融資はないのではないかと思うかもしれませんが、そんなことはありません。“ご利用いただける方”の要件が多少違うものの、起業を考えた時に利用出来そうなものは他にもいくつかありますので、簡単にですがいくつかご紹介します。もしも「これなら自分も当てはまるかも…」と思うものがあったら、ぜひ検討してみてください。自分に最適な融資制度がわからない場合は、専門家のサポートを受けることも考えると起業がうまく進んでいくかもしれませんね。
 

融資制度 ご利用いただける方 融資限度額 融資期間(うち据置期間)
女性、若者/シニア起業家支援資金 女性または35歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金: 7年以内(2年以内)
再挑戦支援資金
(再チャレンジ支援融資)
廃業歴等のある方など一定の要件に該当する方で、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金: 7年以内(2年以内)
新事業活動促進資金 経営多角化、事業転換などにより、第二創業などを図る方 7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金: 7年以内(2年以内)
中小企業経営力強化資金 新事業分野の開拓のために事業計画を策定し、外部専門家(認定経営革新等支援機関)の指導や助言を受けている方 7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金: 7年以内(2年以内)
※日本政策金融公庫ホームページより一部抜粋・引用