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創業融資をサポートしてくれる税理士の選び方



創業融資サポートって何をしてくれるの?お願いするメリットは?

起業しようとする時、大事なことの一つに「資金調達」があります。
 
どのような業種で起業するにせよ最初に必要となる資金額は非常に大きく、自己資金の不足分を補うために他社が融資することを「創業融資」といいます。創業融資制度の中でもっともメジャーなものは「日本政策金融公庫」ですが、他にも民間金融機関からの借り入れや自治体が設定している制度融資も創業融資として考えられます。このように企業する際に資金調達先として考えられる手法は複数ありますが、親兄弟といった身内からの借入を除き、日本政策金融公庫をはじめとする金融機関からの借入には肝に銘じておかないといけないことが一つあります。
 
それは、「創業融資は一発勝負である」ということ。
 
創業融資制度というものは原則として何度でも申し込むことが出来ますが、一度融資の審査に落ちてしまうと、その事実は記録として金融機関に残ります。この場合、2回目に申請する時にはその落選理由が完全に解消されていなければなりません。また申請に必要な計画書などを書き直す必要があるために、再申請にはある程度の時間が必要となります。一度申請に失敗してしまうと、ハードルが上がってしまうんですね。これらのことが「創業融資は一発勝負」と言われる所以です。
 
この“一発勝負”に勝つためには、綿密に計画を練り万全の体制を敷くことがとても重要です。例えば日本政策金融公庫の創業融資では、実際に融資を受けられる創業者は全体の2~3割程度と言われるほど「狭き門」となっています。この狭き門を通過するための準備を創業者自ら行うことは大変難しいです。起業のための準備を進める中で融資について勉強し、書類審査に提出する「創業計画書」を作成し、融資面談の対策を練る、というのは現実的ではありませんね。これらの補助をしてくれるのが、「創業融資サポート」なのです。
 
創業融資サポートを依頼することで、「創業計画書の作成支援」「資金繰り表の作成支援」「損益計算書の作成支援」「融資面談対策」など、融資制度の審査を通過するための書類作成を支援(会社によっては作成)してくれます。創業計画書には開業動機や開業目的、将来の展望(目標)といった創業者の「想い」の部分以外に、仕入や資金・返済計画、売上予測といったシビアな部分も非常に重要です。これらの情報を齟齬なく第三者にもわかるように、かつ書類審査に通過できるように作成するためには、経験豊富な創業融資サポートを利用することが得策と言えるでしょう。会社によっては資金調達に特化しているところもあります。
 
さらに創業融資サポートを行ってくれる専門家を経由すると、「金利が安くなる」「無担保で融資を受けられる」「無保証人で融資を受けられる」「審査機関の短縮」というメリットがあります。これは創業者自身が申請する場合と専門家を通して申請する場合で、それぞれ利用する融資商品が異なるためです。ただしこのメリットを享受するには、サポートしてくれる専門家が「日本政策金融公庫が認定した経営革新等支援機関」であることが必要ですので、依頼する前によく確認しましょう。

税理士?行政書士?診断士?どの段階で、誰にお願いすればいいの?

いざ、「創業融資サポートをお願いしよう!」と思った時に、誰に・どこに依頼したらいいのか迷うことがあると思います。インターネットで「創業融資サポート」と検索すると、税理士事務所や行政書士事務所、会計事務所などが出てきてしまい、一体なにが違うのやら…と。
様々な士業の方が「創業融資のサポートをします」と謳っていますが、実は、創業融資を専門とした士業はありません。各士業の業務内容を簡単に一覧にしてみました。
 
契約書・許認可・会計帳簿などあらゆる書類の作成・申告など

士業 資格 独占業務 主な業務内容
税理士 国家資格 税務 税務代行書類の作成・申告、税相談など
行政書士 行政を中心とした書類作成
中小企業診断士 なし 経営コンサルタント、調査・リサーチ、研修・セミナーの講師など

中小企業診断士には独占業務が無く、創業融資サポートにおいては自身が実務を行うというよりは「豊富な人脈で案件ごとにスペシャリストを紹介・橋渡しをする」ことが特徴と言えます。上記以外にも、社会保険・助成金関係は社会保険労務士、法律相談は弁護士など内容によって専門士業は異なります。
 
ただ「創業融資サポート」を中心として考えるならば、会社運営のパートナーとして長くお付き合いしていく相手には税理士が向いているようです。起業するにあたって最大の難所は資金繰りや売り上げ計画など金銭に関わることですから、書類作成はもとより会社運営の相談に乗ってくれる相手を選びたいですね。もちろん、税理士だけでなく他の士業にも必要に応じてまとめて相談できるサポートがあれば、一番創業者の助けになってくれることと思います。
 
では「創業融資サポート」を利用する場合、どの段階で相談に赴けばいいのでしょうか。
税理士事務所や会計事務所など、初めての場合なかなか足を運びにくい気がしてしまいますが、いまは多くの会社がサイトでの無料診断やメール相談などを受け付けています。相談だけであれば無料の場合がほとんどですので、「創業融資サポートを受けるかどうか悩んでいる」までいかなくても、「起業しようと思っているが何をしたらいいのかわからない」という段階で一度問い合わせしてみると、その先の動き方が見えてくるということもあると思います。

安すぎても不安…。手数料はどれくらいかかるの?

創業融資サポートを利用することになった場合、サポートをしてくれる会社へはどの程度の支払い(手数料)が発生するのでしょうか?ここでは一番利用する可能性の高い「税理士にサポートを依頼した場合」を参考とします。
費用は税理士に「どこまで」サポートをお願いするかによって変わります。「基本的なことは創業者である自分がやる!」という方もいれば、「他のことで忙しいから出来る限り丸投げしたい!」という方もいるでしょう。
 
業務を限定的に依頼した場合、平均的には以下のようになっています。

資金調達や書類作成についてのアドバイス・相談 創業計画書のような書類作成
支払う費用 1時間あたり1万円~ 3~5万円

一方、資金調達を代行(つまり丸投げ)で依頼した場合には、着手金として固定で費用が発生し、そのほか成功報酬として調達額の数パーセントを支払うケースがほとんどです。融資先として選択した制度によって費用が変わることがあり、平均的には以下のようになっています。

日本政策金融公庫 助成金・補助金 金融機関
固定費用(着手金) 3~5万円 2~5万円 2~5万円
成功報酬 調達額の3~5%
(調達額が高額になった場合は下がることも)
調達額の15~25% 調達額の2~5%

会社によっては着手金が不要であったり、資金調達が成功した場合には着手金はそこに充当してくれたりするところもあります。また、資金調達後に顧問税理士として契約することで費用が下がること場合も。ただし、顧問契約を結ぶということは毎月「顧問契約料」という支出が固定されてしまうことでもあります。創業間もない状態での固定支出を抑えたい場合には、顧問契約不要のサポートをしてくれる会社を選びましょう。